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Training Program for General Practitioner
総合診療科専門
研修プログラムについて

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プログラムの特徴

静岡徳洲会病院は静岡市西部に位置するケアミックス型の病院です。24時間365日稼働する救急外来、急性期病棟、慢性期病棟、回復期リハビリテーション病棟があり、外部には老人保健施設、グループホーム、特別養護老人ホームを持ち、さらには訪問診療、人間ドック、検診、そして地域への医療講演を多職種と連携して行う事で地域に対し予防から慢性期までのシームレスな医療を提供しています。
総合診療科は、総合内科と強く連携をとり内科系入院は原則すべて総合診療科とともに担当しています。また、救急、小児科研修は24時間年中無休の救急外来診療を中心とした院内での継続的な研修とともに、近隣の医療施設と提携し集中的な研修を受けることで、様々な疾患とともに施設間での連携についても学ぶことができます。

さらに徳洲会グループのスケールメリットを生かし、離島、僻地での診療を経験することで自立した総合診療科医としての実力を高めることができます。
指導医は総合内科指導医、病院総合診療指導医、日本プライマリー・ケア学会認定指導医を併せ持ち、救急における初期診療から病棟管理、さらには在宅、施設への訪問診療にいたるまで一貫しての指導・診療を行える体制をとっています。また幅広い臨床経験をもつ指導医のもとで症例報告や臨床研究の実践を目指します。 私たちは地域に対しシームレスな医療を提供することは都市部の病院における総合診療の役割と考えています。各領域の専門家と連携しつつ急性期から慢性期まで様々な場での経験を積みながら患者さんとともに歩む総合診療医の育成を行います。

当院における総合診療イメージ

当院における総合診療

当院において、総合内科は以前より、内科系救急、内科系急性期、透析、療養病棟、訪問診療、健診と幅広い領域を、途切れなく診療するような業務を担当しておりました。また、その過程では、他職種との連携も必然的に重要であり、チームリーダーとしての活躍も期待されています。このことから、当院における総合診療科研修では、院内の多くの部署とかかわることが必須であります。

プログラムの目的

近年医療は高度化、専門化が進み患者は大きな恩恵を受けている。その一方、高齢化が進む我が国では医学的、社会的に複数も問題を抱える患者も増加し、総合的に患者の病態に対応する医師が求められている。また、専門医を取得しない医師、専門医の資格はあるが、キャリアの進行とともにジェネラルな診療へのキャリアチェンジを志す医師も存在する。当院の病院総合診療医育成プログラムは、病院を中心とした一般外来、救急外来、急性期病棟、慢性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、在宅への訪問診療、施設への訪問診療といったジェネラルな診療を行うにあたり必要な能力の獲得を目指すものである。

到達目標

  • 〇外来、病棟、在宅等の場面で適切に対応し、専門科との連携を行う事ができる。
  • 〇病院内外との多職種連携に取り組む事ができる。
  • 〇チームビルディグ、人材育成、組織のマネージメントを行うことができる。

研修方法

研修は原則3年間で行う。
(新・家庭医療専門医の同時取得の場合は4年間)

〇外来診療研修
総合内科外来、訪問診療、及び救急外来で総合診療についての研修を行う。診断、初期治療から治癒、または病院診療の終了までの過程を可能な限り担当する。また、患者の状態の把握、診療待ち時間改善のマネージメント、合理的な検査の選択、外来看護師等との連携、処方の管理、患者・家族への説明等の診療の流れが円滑に行えるように努める。
〇病棟業務研修
入院から退院までの過程を、患者の視点に立った診療計画のもと実施する。入院期間を通しての効率的な検査・治療の日程を計画し、入院期間と適切に設定する能力を持つ。また、患者の社会的背景や倫理面を含めた多彩な問題について多職種と連携して、患者の最適な療養環境を検討できる。また、病棟全体の患者のコントロールを行い、入退院、転院を適切に行うことができる。
〇在宅診療研修
患者自宅及び介護施設での訪問診療と、施設を含めた多職種カンファレンスを通じて、知識・連携を学び、身に付ける。
〇チーム医療研修
病院の職種横断的な医療チーム(医療安全、感染予防対策チーム、褥瘡チーム、摂食・嚥下チーム等)のメンバーとして、ラウンド、カンファレンス、研修会に出席する。特に医療安全についてはインシデント、アクシデントの把握や対応策について学び、リスクマネージャーとしての役割を努める。感染予防対策チームについては感染予防対策の指導、アウトブレイク時に対応できる能力を身に付ける。
〇病院管理・マネージメント研修
運営会議等への参加を通じて経営状態を把握し、病院の問題点や解決方法についての理解を深め、医療資源の適正かつ効率的活用に努める。医療経営や病院マネージメントについては各種講習会・セミナー等への参加及び病棟マネージメントを実践することで習得する。

研修スケジュール

3年間で救急外来、一般外来、訪問診療、病棟診療を包括的に研修し、研修終了後は病院総合医として地域包括ケアシステムのハブ病院を目指す当院の中心的役割を担う
研修終了後に、日本病院総合診療医学会認定医・日本プライマリケア学会認定医を取得する

週間スケジュール例

 
7:00 回診 回診 回診 回診 回診 回診
7:30     PCLS PCLS    
8:15 リーダー会議 リーダー会議 リーダー会議 医局会
勉強会
リーダー会議  
午前 内科外来 救急外来 内科外来 検査 内科外来  
午後 病棟 救急外来 病棟 訪問 病棟  
16:45 カンファレンス カンファレンス カンファレンス カンファレンス カンファレンス  

*Primary care lecture series インターネット上のレクチャー

研修施設群

静岡徳洲会病院総合診療専門研修は静岡徳洲会病院を基幹病院とし地域の連携病院及び徳洲会グループの僻地・離島病院と施設群を構成しています。専攻医はこれらの施設をローテートすることで総合診療専門医に求められる様々な知識、経験を積むことが可能となります。ローテート研修は以下の構成となります。
総合診療専門研修については静岡徳洲会病院で総合診療専門研修Ⅱを6ヶ月、瀬戸内徳洲会病院と佐久間病院において総合診療専門研修Ⅰを6ヶ月づつの合計18ヶ月の研修を行います。必須領域別研修として静岡徳洲会病院で内科12ヶ月、小児科、救急科を静岡済生会総合で3ヶ月づつ研修を行います。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医を中心に考え、個々の総合診療専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、本研修プログラム管理委員会が決定します。
静岡徳洲会病院総合診療専門研修プログラムは基幹施設1、連携施設3の合計4施設で構成されます。施設は静岡市駿河区、及び浜松市、さらに鹿児島県奄美大島に位置しています。

研修施設群イメージ
研修施設群イメージ 研修施設群イメージ

ローテーションスケジュール例

○総合診療専門医のみ取得の場合

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 内科
2年目 小児科 救急科 総合診療Ⅰ
3年目 総合診療専門研修Ⅱ

※ローテーション順・内容は希望に沿った研修となるよう調整します。



○総合診療専門医と新・家庭医療専門医同時取得を目指す場合

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 内科
2年目 小児科 救急科 総合診療Ⅰ
3年目 総合診療専門研修Ⅱ
4年目 家庭医療専門研修Ⅰ

※ローテーション順・内容は希望に沿った研修となるよう調整します。

当院で経験可能な疾患

当院で経験可能な診察・検査等以下に示す一般的な症候に対し、臨床推論に基づく鑑別診断および、他の専門医へのコンサルテーションを含む初期対応を適切に実施し、問題解決に結びつける経験をする。

経験可能な疾患イメージ
経験可能な疾患イメージ
ショック 急性中毒 意識障害 全身倦怠感 心肺停止
呼吸困難 身体機能の低下 不眠 食欲不振 体重減少・るいそう
体重増加・肥満 浮腫 リンパ節腫脹 発疹 黄疸
発熱 認知機能障害 頭痛 めまい 失神
言語障害 けいれん発作 視力障害。視野狭窄 目の充血 聴力障害・耳痛
鼻漏・鼻閉 鼻出血 嗄声 胸痛 動機
咳・痰 咽頭痛 誤嚥 誤飲 嚥下困難
吐血・下血 嘔気・嘔吐 胸やけ 腹痛 便通異常
肛門・会陰部痛 熱傷 外傷 褥瘡 背部痛
腰痛 関節痛 歩行障害 四肢のしびれ 肉眼的血尿
排尿障害(尿失禁・排尿困難) 乏尿・尿閉 多尿 不安 気分の障害(うつ)

以下に示す一般的な疾患・病態について、必要に応じて他の専門医・医療職と連携をとりながら、適切なマネージメントを経験する。

貧血 脳・脊椎血管障害 脳・脊髄外傷 脳変性疾患 脳炎・脊髄炎
一次性頭痛 湿疹・皮膚炎群 蕁麻疹 薬疹 皮膚感染症
骨折 脊柱障害 心不全 狭心症・心筋梗塞 不整脈
動脈疾患 静脈・リンパ管疾患 高血圧症 呼吸不全 呼吸器感染症
閉塞性・拘束性肺疾患 異常呼吸 胸膜・縦隔。横隔膜疾患 食道・胃・十二指腸疾患 小腸・大腸疾患
胆嚢・胆管疾患 肝疾患 膵臓疾患 腹壁・腹膜疾患 腎不全
全身疾患による腎障害 泌尿器科的腎・尿路疾患 妊婦・授乳婦・褥婦のケア 女性生殖器及びその関連疾患 男性生殖器疾患
甲状腺疾患 糖代謝異常 脂質異常症 蛋白および核酸代謝異常 角結膜炎
中耳炎 急性・慢性副鼻腔炎 アレルギー性鼻炎 認知症 依存症
気分障害 身体表現性障害 ストレス関連障害・心身症 不眠症 ウイルス感染症
細菌感染症 膠原病とその合併症 中毒 アナフィラキシー 熱傷
小児ウイルス感染症 小児細菌感染症 小児喘息 小児虐待の評価 高齢者総合機能評価
老年症候群 維持治療期の悪性腫瘍 緩和ケア    

当院で経験可能な診察・検査等

・身体診察
成人患者への身体診察(直腸、前立腺、陰茎、精巣、鼠径、乳房、筋骨格系、神経系、皮膚を含む)
高齢者への高齢者機能評価を目的をした身体診察(歩行機能、転倒・骨折リスク評価など)や認知機能検査(HDS-R、MMSEなど)

・検査
各種の採血法(静脈血・動脈血)
簡易機器により血液検査・簡易血糖測定・簡易凝固能検査、採尿法
注射法(皮内・皮下・筋肉・静脈注射・点滴・成人および小児の静脈確保、中心静脈確保法)
穿刺法(腰椎・膝関節・肩関節・胸腔・腹腔・骨髄を含む)
単純X線検査(胸部・腹部・KUB・骨格系を中心に)
心電図検査・ホルター心電図検査・負荷心電図検査 
超音波検査(腹部・表在・心臓)
生体標本(喀痰、尿、膣分泌物、皮膚等)に対する顕微鏡的診断
呼吸機能検査
消化器内視鏡(上部、下部)
造影検査(胃透視、注腸透視、DIP)

当院で経験可能な診察・検査等

簡単な切開・異物摘出・ドレナージ 止血・縫合及び閉鎖療法
簡単な脱臼の整復、包帯・副木・ギブス法 局所麻酔(手指のブロック注射を含む)
トリガーポイント注射 関節注射(膝関節・肩関節等)
静脈ルート確保及び輸液管理(IVHを含む) 経鼻胃管及び胃瘻カテーテルの挿入と管理
導尿及び尿道留置カテーテル・膀胱瘻カテーテルの留置及び交換 褥瘡に対する被覆治療及びデブリードマン
在宅酸素療法の導入と管理 人工呼吸器の導入と管理
輸血法(血液型。交差適合試験の判定を含む) 各種ブロック注射(仙骨硬膜外ブロック・正中神経ブロック等)
小手術(局所麻酔下での簡単な切開・摘出・4止血・縫合法・滅菌・消毒法) 包帯・テーピング・副木・ギブス等による固定法
穿刺法(胸腔穿刺・腹腔穿刺・骨髄穿刺) 鼻出血の一時的止血
耳垢除去、外耳道異物除去 咽喉頭異物の除去(間接喉頭鏡、上部消化管内視鏡などを使用)

内視鏡検査

内視鏡検査に興味のある先生は、希望により静岡徳洲会病院での研修期間中に研修を行う事ができます。総合診療専門医の取得を目指しながら内視鏡の手技習得が可能です。
消化器疾患の早期発見にもつながり、ドック・健診で長期間貢献することもできます。病気発見後の治療まで行いたい先生は専門医取得を、治療は専門医に任せたい先生はスクリーニング認定医を目指すことができます。




研修・セミナー

日本プライマリ・ケア学会、日本病院総合診療医学会の総会、地方会、セミナー等に参加し総合診療についての能力を深める。また、医療経営、管理、リーダーシップ、マネージメントに関する講習会やセミナーに参加し、適切な医療経営、管理能力を習得する。

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